東海テレビ
新型コロナウイルスの感染拡大で医療機関の経営やスタッフ不足が深刻な問題となっていますが、医療の現場を守ろうと、名古屋市医師会が新たな取り組みを始め注目されています。 名古屋市中区の「としわ会・診療センターレクリニック」。ここでは医師4人、看護師6人、事務員6人などが働いています。 開院しておよそ10年経ちますが、コロナ禍で外来患者が減り経営を圧迫。中でも深刻なのが「看護師不足」の問題です。 としわ会・診療センターレクリニック 清水秀康院長:
「看護師がいないと、チームワークとして成り立たないので、なんとか医療をやりたくても、看護師不足で縮小しないといけなくなっているところもある」 実は、看護師を1人雇うことが病院側にとっては大きな負担になっていました。 清水院長:
「(紹介業者に)100万とか払いますね。ましてや、いまコロナ禍で物品不足・人手不足の中で、100万払って半年とか1年で退職されたら、とても痛いです」 民間の紹介業者を介して看護師を採用すると病院側は、その成功報酬として年収の2割から3割にあたる100万円前後を仲介料として支払わなければならず、人材確保の大きな壁となっていました。 こうした問題を解消しようと今年1月、名古屋市医師会では、独自の求人サイトを立ち上げました。 名古屋市医師会 加藤政隆副会長:
「紹介手数料の出費というのが、かなり人件費の中でウエートを占めているというのが現状です。医師会員の先生方にアンケートを取って、皆さんご苦労されているということを鑑みまして…」 名古屋市医師会に入会しているおよそ1900の病院やクリニックのうち、現在、446施設が登録しています。その登録料は、年間わずか「1万円」。 名古屋市医師会のサイトでは、派遣会社などが間に入ることもなく、利用者は病院と直接交渉ができます。そして病院が採用しても、仲介手数料や成功報酬は一切ありません。 これまでにおよそ1000件の応募があり、そのうち86人の採用に至っています。 「としわ会・診療センターレクリニック」もこのサイトに登録し、今年4月に看護師1人を採用できました。 清水院長:
「コロナ禍の中で来てくれて、獅子奮迅の働きをしてくれるというか、本当に誠実な方が来てくれて。医師会がいかに、われわれを応援しようとしてくれることがすごく伝わってきた」 新型コロナウイルスの第2波で苦しい状況が続く医療機関とスタッフたち。名古屋市医師会は、過酷な現場を守る求人サイトとしてさらに充実させていく方針です。 加藤副会長:
「特にいま、コロナで人材不足の医療業界ですので、医療崩壊しないために人材確保が非常に大事なことだと思いますので、そういったことの一助になればと思っています」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース