青森県津軽地方にある神社の鳥居にまつられている鬼の小像「鬼コ」。町おこしに生かそうと県がカードを作成したところ、近年の鬼ブームの後押しを受け、人気が沸騰。ご利益にあやかりたいと、自宅に置く人も現れた。(吉備彩日)
不安の時代 鬼神信仰がシンボル化か
鬼コは津軽地方の中でも、水害が多発した岩木川流域にある神社で約40体見つかっている。木や石で作られた大小さまざまな像で、鳥居の額が架かっている場所に座り、にらみをきかせる。
地元の郷土史家らが残した文献によると、鬼コを鳥居に最初に掲げたのは弘前市にある撫牛子(ないじょうし)八幡宮とされ、遅くとも明治時代にはあったという。魔よけなどの意味が込められていたというが、明確な起源は分からない。
県立郷土館(青森市)の小山隆秀・学芸主幹は「鬼コは地元の郷土史家や好事家の研究はあるが、研究者が手を出してこなかった分野で、資料がほとんどない」と話す。
さらに、鬼コが周囲の神社に広がった理由も謎に包まれている。
ただ、岩木山の赤倉周辺では…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル