【正午】黙祷(もくとう)をささげようと拝殿近くに集まった参拝者らは、1分前が告げられるとその場で姿勢を正していた。黙祷の間はセミの鳴き声だけが響いていたた。正午を回って日差しはさらに厳しさを増し、黙祷が終わった直後には麦茶の無料給水に人だかりができた。 【午後0時20分】東京元都知事の石原慎太郎氏が参拝。到着殿を出ると、出待ちの参拝者らの前に歩み寄り、「目と鼻の先で追悼式やっているのに天皇陛下も総理大臣もなぜ参拝されない。何を恐れているのか」と呼び掛けると、拍手が湧き起こった。 【午後1時ごろ】炎天下の中、2時間以上参道に並んでいる参拝者も。午前10時に靖国神社を訪れた東京都杉並区のパート、三島恒紀さん(78)は、午後1時を過ぎてやっと参拝を済ませた。暑さでふらふらになりながら、数歩歩いては休んでを繰り返す。つえもつかず、毅然(きぜん)と並び続けたのは、戦時中の痛ましい記憶が残るからだ。 国鉄の社員だった父を持ち、鳥取県で生まれ育った。終戦間際、軍艦の乗組員として出兵する若者を乗せた広島行きの電車は、昼夜を問わず日に何本も走っていた。家から毎日見ていたその若者たちの姿が目に焼き付いて離れない。 「船は全て沈没させられた。みんな犠牲になって今も海の底に沈んでいるのかと思うと、悲しくて、情けなくて、涙が出る」 毎年この日は欠かさず靖国神社を参拝しているといい、「経済力は落ち込むばかりだが、国際競争に負けない日本でいてほしい。日本国が永遠であるようにと、国を守ってくれたご英霊に手を合わせました」。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース