韓国による日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定に関し、与野党からは23日、韓国側を厳しく批判する意見が相次ぐ一方、日本政府の冷静な対応を支持する声が上がった。自民党は政府の分析を待って対応を協議する。
自民党は23日、外交、国防両部会などの合同会議を28日に開くことを決めた。北朝鮮によるミサイル発射などの場合、自民党は緊急会議を開くことが多い。しかし、今回は「こちらが慌てれば韓国側の思うつぼ」(党ベテラン議員)との判断から政府の分析などを踏まえて開催する。
山本朋広国防部会長は「韓国が破棄を表明したことにあきれている」と苦言を呈した上で、「同盟国の米国や他の西側諸国と引き続き緊密な連携を図り、日本の安全保障政策を確かなものにしたい」と語った。
韓国側の決定は関係改善に努めてきた議員外交にも影を落とした。日韓議員連盟の額賀福志郎会長は23日、韓日議員連盟の姜昌一(カン・チャンイル)会長と電話会談し、9月18、19両日に東京で開催予定だった合同総会を延期すると確認。11月初旬の開催に向け日程を再調整する。
19日に韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長の特使として訪日した韓国国会議員の朴智元(パク・チウォン)氏と会談したばかりの自民党の二階俊博幹事長も23日、破棄決定を批判するコメントを出した。「韓国の決定が誤ったメッセージとして北朝鮮に受け止められれば、米国の非核化の努力にも影響があるのではないか」と指摘し、韓国側に冷静な対応を求めた。
公明党の山口那津男代表は国会内で記者団に「安全保障上の信頼関係を破壊、後退させてしまうことにつながる。極めて理解しがたい」と不快感を示した。
野党からも韓国側の対応を疑問視する声が相次いだ。衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」代表の野田佳彦前首相は国会内で記者団に「普通では考えられない動きだ。それだけ深刻な事態だと受け止めなければいけない」と述べた。
野田氏は安倍晋三政権の対応も支持。「徴用工の問題を含め日本政府の態度は間違っているとは思わない。基本的な約束は守るのが鉄則だ。逸脱していることには毅然(きぜん)とした態度で臨むべきだ」と語った。
立憲民主党の枝野幸男代表は国会内で記者団に「談話の通りだ」と述べた。同党は22日、逢坂誠二政調会長名で「関係悪化を安全保障の分野にまで持ち込む韓国政府の姿勢は、決して容認できるものではない」とする談話を発表した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース