神奈川県庁の行政文書が大量に記録されたハードディスク(HDD)が転売された問題で、警視庁に別のHDDの窃盗容疑で逮捕されたブロードリンク(東京都中央区)の元社員高橋雄一容疑者(51)=横浜市旭区=が、調べに対し「始業前に行けば簡単に盗めた。いつもそうしていた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。
逮捕容疑のHDDは自分のリュックに入れて持ち出していたことも判明。就業時間中は私物を持ち込めず、人目に付きやすいため、始業前を狙ったと同庁はみている。
捜査関係者らによると、高橋容疑者は始業前の3日午前6時40分ごろ、同社本部テクニカルセンター(東京都大田区)の「データ消去室」からHDD12個(2万4千円相当)を持ち出し、就業中はリュックごと私物用ロッカーに置いていたという。同室は出入りにIDカードと指紋認証が必要で、私物の持ち込みも禁じられている。
高橋容疑者は、同社が処理を請け負った県庁のHDDについても関与を認め、「毎日のようにやっていた」と話しているという。
同庁は8日、高橋容疑者を送検した。
防衛省がブロードリンクを指名停止
神奈川県庁のハードディスク(HDD)が転売された問題をめぐり、HDDの処理を請け負ったブロードリンク(東京都中央区)について、防衛省は9日、同日から9カ月間の指名停止にした。「契約の相手方とすることは不適当」としている。同省によると、2016年度から今年度にかけ、同社との間で11件の契約があった。うち10件は、不要になったパソコンやHDD、液晶モニターを計約575万円で売却する契約。記憶装置を壊し、データを復元できないようにしてから引き渡しており、情報流出の恐れはないという。残り1件は、パソコンの修理依頼で、契約額は約5万円だった。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル