大阪府の吉村洋文知事は9日、統合型リゾート施設(IR)誘致を目指す自治体による整備計画の提出期限を観光庁が延長したことについて「妥当だ。国として前に進めるという判断だと思う」と述べた。新型コロナウイルスを念頭に「感染症対策を(整備計画に)組み込みながら、経済活性化の拠点としてIRを誘致する基本方針は必ず進める」とも強調した。府庁で記者団に答えた。 吉村氏は令和9年3月までを目指していたIRの全面開業時期について「1、2年程度遅れると思う」との見方を示した。7年の大阪・関西万博後となるのは確実だが「IRは50~100年単位の大規模事業。長い目で見て、世界最高水準のIRを大阪にぜひ誘致したい」と意欲を見せた。 一方、大阪市の松井一郎市長も同日、市役所で記者団の取材に答え「事業者と詰めた話ができていないので、延長はありがたい」と歓迎。「国に対して延期を要請していた。われわれの意見をしっかり受け止めてもらった」と語った。 大阪府市は大阪湾の人工島・夢洲(同市此花区)への誘致を目指し、公募に応じた米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスによる共同グループと協議を重ねてきたが、新型コロナの感染拡大で協議は停滞していた。 府は延期を踏まえ、MGM側からの事業者提案書の提出期限も延期する。 一方、大阪・関西万博開幕直前のIR開業を目指していた和歌山県。仁坂吉伸知事は政府に再三、当初スケジュール通り進めるよう要望してきただけに「大変不満で遺憾」と話した。 県のIRには、カナダのクレアベストグループと香港のサンシティグループの2事業者が名乗りを上げている。事業者からの提案書類の提出期限は今月19日に迫っており、県は今回の延期を受けて、期限の先延ばしを決定。来年1月ごろとしていた事業者選定も延期する見通しだ。 開業時期について、仁坂知事は「万博前は現実的に難しいかもしれない」と話した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース