文部科学省が、12年前に作られた教員向けの手引「生徒指導提要」を初めて改訂する。8月に公表された改訂案では、教員による不適切な言動を禁止する記述が新たに盛り込まれたほか、自殺、虐待といった子どもを取り巻く深刻な課題をめぐる記述が拡充された。専門家は、改訂案に書かれたことを実現させるためには、学校に配置する人員の充実が欠かせないと指摘する。
生徒指導提要は、生徒指導の定義や授業との関係のほか、いじめや少年非行、自殺、性といった子どもを取り巻く課題についての対応手順などをまとめた教員向けの手引。文科省は今秋にも改訂版をオンラインで公表し、全国の国公私立学校に周知する予定だ。
改訂案の特徴は、「自由に意見を表明できる」「差別されない」といった子どもの権利を新たに明記するなど、個の尊重を求めた点だ。頭ごなしに規範を教え込んだり、命令して従わせたりする指導より、自発的、主体的な発達を尊重して支える「発達支持的生徒指導」を促している。
子どもを個として尊重する。そんなメッセージのこもった生徒指導提要は、どうすれば現場で生かせるのでしょうか。記事の後半では、末冨芳・日大教授が、学校への人員配置の充実を訴えています。
「威圧的な言動」「連帯責任負わせる」 不適切指導を例示
不適切な指導についての記述…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル