〈そもそも解説〉滑らかに話せない吃音症 話し終わった後に支援して

 100人に1人いるとも言われる吃音(きつおん)症。当事者はどのようなことに困っているのでしょうか。また、周囲はどのように接すればいいのでしょうか。自らも吃音があり、九州大学病院で吃音外来を担当する菊池良和医師への取材などをもとに、解説します。

 Q 吃音症って?

 A 話すときに言葉がなめらかに出てこない言語障害のことです。

 吃音にはいくつか種類があります。例えば「からす」という言葉を発音するとき、①「か、か、からす」と最初の文字を繰り返す(連発)②「かーらす」のように伸ばす(伸発)③「…からす」(難発)のように詰まる、といった症状があります。

 ある程度長い言葉を話すようになる2~4歳ごろに症状が出始める人が多く、その大半は自然に治るとされています。吃音症の当事者は、おおよそ100人に1人と考えられています。

 Q 原因は?

 A 現時点では、生まれ持った体質の影響が大きいと考えられています。同じ環境で育った双子の研究から、育て方が問題ではなく、生まれ持った体質の影響が8割程度と言われています。

 かつては「育て方や家庭環境が原因だ」と広く信じられていた時代がありました。ですが、「吃音を意識させ、無理に矯正しようとした親の責任だ」「左利きをむりやり矯正しようとしたせいだ」といったことも含め、これらの考え方は科学的に否定されています。

 「親の愛情不足」などと言われたこともありましたが、それも関係ありません。また、吃音がある人と話しても「うつる」ことはありません。

 Q 治す方法は?

 A 完全に治す方法は見つかっていません。人に合わせて話したり、歌うように話したりすると吃音が軽減されることがあります。ただ、一度なめらかに話せるようになっても、別の場面では吃音が出てしまう人が多数です。また、こうした方法を採り入れるかどうかは、本人の自由です。

 Q 吃音に苦しんだ経験を公表している著名人もいるとか?

 A 米国のバイデン大統領は…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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