「『現金がええ』が人情」河村・名古屋市長 一転して全額現金給付へ

関謙次

 18歳以下の子どもへの10万円給付をめぐり、名古屋市河村たかし市長は15日、半分をクーポンで給付するとしていた方針を切り替え、全額を現金で給付すると表明した。「国が方針を変えたのに、名古屋だけクーポンだと言っていてもしょうがない」と姿勢を転じさせた。

 河村氏は記者団に対し、方針を変更した理由を「現金がもらえるのにクーポンにしてくれという人なんていない。それが人情というもん」と説明した。まず24日から5万円の給付を開始し、残りの5万円は1月中をめどに給付する方向で準備を進めているという。申請が必要な高校世代(16~18歳)は、1月下旬以降に一括して10万円を支給する考えだ。

 市は、まず現金を5万円、残り5万円分をクーポンで給付することを前提に、約314億円の補正予算を計上し、8日の市議会で可決されていた。市によると、現金に切り替えることで事務経費が減り、給付時期も早まるという。

 河村氏は13日の記者会見では、経済対策としての効果が見込めるとして「クーポンでやるのがええと思う」と語っていた。一方で「国の方針に従う」とも述べ、政府の動きを注視していた。岸田文雄首相が同日、年内の全額現金給付を無条件で認める考えを表明。全額現金で給付する方針を明らかにする自治体が全国で相次いだことから、持論を抑えた。

 市は、問い合わせを受け付けるコールセンター(052・930・5870)も開設した。(関謙次)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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