「あせらずあわてずあきらめず」 能登の住職が寺の再建に込めた思い

 地域のつながりをどう守っていくか――。能登半島地震の被災者100人への取材では、地域コミュニティーの存続に不安を抱きつつ、それを守り抜こうと前を向く人々に出会った。(吉村駿、小若理恵、岩本修弥)

 石川県能登町鵜川の宝蔵寺は、地震で本堂や鐘突き堂が全壊し、再建のめどが立っていない。ただ、住職の稲谷英俊さん(76)はずっとここにいると決めている。

 200年の歴史がある宝蔵寺は、地域コミュニティーの中心ともいえる存在だ。門徒の人たちが法要があるたびに集まり、精進料理を食べる。野菜や果物を分け合い、自然と会話は弾んだ。

 過疎化の影響で、30年前に300軒ほどだった門徒は、いまは200軒に満たない。ここに追い打ちをかけそうなのが今回の地震だ。

 「東京の息子の家へ避難する」「金沢で暮らす」。地震後、門徒からはそんな声も聞いた。

 「門徒さんの減少が加速する…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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