足立朋子
神奈川県二宮町の町道2カ所に平仮名で大きく「あっ!」と書かれた道路標示が登場した。いずれも町立小学校の近くにある信号のない横断歩道の手前。「止まれ」などと同じ法定外標示と呼ばれるものだが、より斬新な文句を採用することで、車のスピード抑制効果を狙うという。
2カ所は周辺への抜け道として交通量が多いうえ、下り坂でスピードが出やすい。前方に横断歩道があることを知らせる「◇」標示はすでにあるが、「ドライバーの直接的な気づきにつながる」と町が地元警察などと協議して設置した。
ただ、町のオリジナルではない。川崎市には幸区の12カ所を筆頭に「あっ!」が書かれている市道が複数の区にあるという。
ドライバーに見過ごされず 「何だろう?」と思わせようと
発祥は2013年に多摩区の幼稚園前に設置されたものだという。提案した宿河原幼稚園の関山真弘園長(52)によると、目の前の市道をスピードを落とさずに走る車があり、ヒヤリとする場面が多かったことから安全策を模索してきたという。
当初はガードレールや路面を隆起させるハンプの設置などを求めて区や警察と協議したが、道幅の制約や住民合意の壁があり、次善の策が道路標示だった。
やるからにはドライバーに見過ごされず、「何だろう?」と思わせようと知恵を絞り、幼稚園児も読める平仮名にしたという。思わぬ広がりに「園でいつも子どもたちを楽しませよう、驚かせようと考えているからかも」と話す。
「あっ!」が多数書かれた市道を管轄する幸署によると、事故件数の減少など明らかなデータはないものの「非常に目立つのは確かで、注意喚起には有効なのではないか」としている。二宮町でも効果を検証したいとしている。(足立朋子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル