戸田和敬
広島県警は18日、同県福山市の50代の男性医師が、約1億3800万円の特殊詐欺の被害に遭ったと発表した。手口は「NTTファイナンス」をかたる架空請求詐欺で、広島県内の特殊詐欺被害では過去最高額となった。
県警生活安全総務課によると、昨年10月12日、男性の携帯電話に「未納料金がある」という内容のショートメールが届いた。男性が表示された連絡先に電話をすると、「未納料金について情報管理関連の協会に調査させる」と言われた。
その後、情報管理関連の協会の職員を名乗る男から「あなたの携帯がランサムウェア(身代金ウイルス)の発信源になっている」「被害者が訴訟を準備しており、示談金が要る」などと要求が続いた。
さらに、警察官や協会職員の上司を名乗る男から「あなたが容疑者として浮上した。犯罪収益になるかもしれない」などと電話があったため、男性は未納料金やトラブル解決金の名目で、1月7日まで百数十回にわたり、計約1億3800万円を指定された口座に振り込んだという。
犯人側と連絡がとれなくなったため、男性が不審に思い、1月17日に福山東署に相談した。県警は「今回のようなショートメールは誰にでも届く。電話をせずに、まずは周囲に相談してほしい」と呼びかけている。(戸田和敬)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル