昨年5月、「いま子どもたちは いじめの過去と闘う」で、千葉市内の公立小学校5年のときに同級生から暴力やいやがらせを受けたエイジさん(19)=仮名=の物語を6回連載しました。エイジさんは5年前から同級生の保護者と市を相手にした損害賠償請求訴訟を闘ってきましたが、今年6月、学校の責任を認め、同級生の保護者と市に賠償を命じた東京高裁判決が確定しました。エイジさんにいまの思いを聞きました。
「やることはやった」。エイジさんの率直な感想だ。「自分自身がうれしいというより、両親やお世話になった弁護士など周囲の反応を見ると、うれしいということなんだよなという感じ」と語る。
その根底にあるのは、自分が、いじめられ苦しんでいる多くの人の中のひとりでしかないという思いだ。「終わりでも何でもない。今後も同じことが続いていく。本質的には何も解決していないのだから」
小学5年のときにいじめを受けてPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったとして、2016年から同級生の両親と千葉市を相手に損害賠償請求訴訟を闘ってきたエイジさん。勝訴した二審判決を受け、「いじめはあってはならないものではなく、学校という場では起こって当然」と言いました。教職員や社会はいじめにどう向き合うべきなのか。記事の後半では、学校や社会への思いを語ったエイジさんの寄稿が読めます。
だが、高裁判決が学校の責任…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル