山崎琢也
認知症の女性を交番まで送り届け、保護活動に貢献したとして、静岡市立清水第八中3年、池田愛奈さん(14)と宮原夢生(めい)さん(14)に23日、静岡県警清水署から感謝状が贈られた。財津康署長は「勇気と優しさがあふれる行動だった」とたたえた。
「追分はどちらですか」
7月16日の朝、一緒に登校中だった2人は、いつもの通学路で高齢の女性に声を掛けられた。女性は暗く不安げな表情。道案内をしたが、教えた方向とは逆方向に向かって歩き出した。
宮原さんは1カ月ほど前にも同じ女性に道を聞かれていた。不安げな顔、ゆっくりした足取り、案内した道を間違える。「心配だよね」。始業時間が迫っていたため一度は学校に向かったが、気になって引き返し、後を追った。
追いつくと、女性はまた別の通行人に道を聞いていた。「大丈夫ですか?」。声を掛け、最寄りの交番まで付き添った。
交番は無人だったため、通りかかった通行人にスマホを借り、学校に事情を説明。県警には学校から連絡があったという。
この日は結局、30分以上の遅刻になったが、交番に駆けつけた副担任や校長からは「大変だったね」とねぎらわれた。
署によると、女性は市内に住む85歳で、認知症だという。女性は2人から引き継いだ教師が、無事駆けつけた警察官に引き渡した。
宮原さんは「感謝状をもらうような大事になるとは思わなかったが、人助けができてうれしい。あのとき引き返してよかった」と語った。池田さんは「これからも、誰に対しても親切な行動を取りたい」と話した。(山崎琢也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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