国吉美香、松山尚幹
沖縄の米海兵隊は26日、発がん性が疑われる有機フッ素化合物のPFOS(ピーフォス)を含む水を、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)から下水道へ放出したと発表した。米側から放出計画の打診があり、日米間で対応を協議している最中だった。外務省や防衛省、県は「米軍の対応は一方的」などとして強く抗議し、中止を求めた。
9時すぎ、米軍から「9時半ごろから放出する」メール
県によると、26日午前9時5分、「9時半ごろから排水処理システムで処理された水を放出する」との米軍からのメールを受信した。外務省への一報も、県と同様だった。その後、県には午前10時14分、沖縄防衛局から「午前9時半ごろに放出した」と連絡があった。
放出計画は、米側が日本側に打診していることを地元紙などが7月上旬に報じ、沖縄県は防衛局に問い合わせて内容を確認。米側は日本政府や県に対し「汚染水は業者に委託し処分してきたが財政負担が大きい」と理由を説明し、「飲料水レベルまで下げて下水道に流す」と安全性を強調した。
これに対し、県などは安全性が確認されるまで放出しないよう要求。宜野湾市議会は、従来どおり米軍の責任で処分するよう求める意見書と決議を全会一致で可決していた。
米軍は発表文で、適切に処理し、汚染はほぼ除去できていると説明した。放出総量は沖縄防衛局から県に伝えられた情報では、約6万4千リットル。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル