「ありがとうDD51」 機関車引退、国鉄時代から活躍

 国鉄時代から主に地方路線で活躍してきたディーゼル機関車「DD51形」。最後まで定期運用していたJR貨物が今月のダイヤ改定での引退を決め、12日、最後の運行をした。

 朱色に「凸型」の車体で広く知られたDD51は、JR貨物の愛知機関区(愛知県稲沢市)に6両だけ残り、うち3両が稲沢と関西線・四日市駅(三重県四日市市)を往復して石油類や工業製品を運んでいた。

 12日は、四日市駅でJR貨物が記念の式典を開催。「さよなら ありがとう DD51」と記したヘッドマークを付けた車両を前に、「約50年にわたって活躍した」「物流を支えた」と長年の功績をたたえた。そして午後0時42分発の稲沢行きの列車を見送った。この日は沿線や駅に大勢の鉄道ファンらも詰めかけた。

 内山健・JR貨物東海支社長は「人間的な機関車で人気もあった。老朽化が進み、部品も入手しにくい状態でコスト的にこれ以上の維持は限界だった」と話した。JR貨物の後継の機関車は「DF200形」で、DD51は解体されることになる。残るのはJR西日本やJR東日本が観光列車や工事用車両の牽引(けんいん)で使うだけとなった。

 DD51は国鉄時代の1962(昭和37)年以来、計約650両が造られた。JR各社に引き継がれた後も、電化されていない地方区間で客車や貨車を引っ張った。「カシオペア」(上野―札幌)といった寝台特急も牽引(けんいん)した。しかし電化区間の拡大などもあって、徐々に減り、近年はJR貨物だけが第一線で運用していた。10年前の東日本大震災では、東北の被災地へ非電化区間を通って燃料を運ぶために全国から集められたことがあった。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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