飯島啓史
福島県会津若松市の猪苗代湖で昨年9月、男児ら3人がモーターボートに巻き込まれ死傷した事故から6日で1年となる。県警が業務上過失致死傷の疑いで捜査しているが、未解決のままだ。亡くなった千葉県野田市の豊田瑛大さん(当時8)の父親(48)は「1年が経っても、瑛大がいないつらさを押し殺して生活している。一刻も早く解決して」と訴える。
瑛大さんはスノーボードやシュノーケリングなど外遊びが大好きな活発な子どもだった。事故当日も家族4人で知人家族と一緒に猪苗代湖を訪れ、父親の水上バイクに引っ張られて水面をボードで滑るトーイングスポーツをして楽しんでいた。
母親は両足巻き込まれ、義足の生活
事故は、遊びの順番を待つため、瑛大さんと母親(36)ら4人が湖面に浮いている最中に起きた。母親は「アクセル全開でエンジンをふかすような低く響く音で、一斉に振り返った」と話す。気付けば、目の前にモーターボートの船首が近づき、避ける間もなく巻き込まれた。事故で両足のひざ下を失い、義足の生活を送る。
当時、水上バイクで沖にいた父親はスピードを出して現場を走り去るボートを見たという。「あんな無謀な運転で息子の命を奪われたと考えると、悔しいなどというものじゃない」と憤る。
母親の義足のカバーには、息子が亡くなる前の夏休みに育てていたヒマワリの花をあしらった。「明るく笑っていた瑛大のイメージと重なる。少しでも近くにいたい」との思いを込めた。
両親は6日、現場となった猪苗代湖を訪れ、献花を行う。(飯島啓史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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