大阪府と首都圏3県に緊急事態宣言が出された2日の朝、JR大阪駅前では、宣言前と変わらず多くの通勤客が行き交った。
食品メーカーに勤める男性(62)は、堺市から地下鉄などを乗り継いで大阪駅まで来た。「いつもと変わらない人の量だった」。会社は在宅勤務を進めようとしているが、男性は営業回りで在宅を週1回から増やすことは難しいという。学生時代の友人との集まりも予定していたが、「ワクチンが行き渡るまでもう少しの我慢」と話した。
兵庫県尼崎市から通う会社員女性(42)も、通勤客の数は先週と変わらないと感じた。「感染者の急増は分かっていても、宣言に慣れてしまって全く『緊急』という感じがしない」
奈良県王寺町から通勤する会社員男性(38)は8月、予定通り小学5年の息子を海水浴に連れて行くつもりだ。「感染対策をして他の人と接触しないように楽しみたい」と言う。
大阪府は、酒類を提供する飲食店に府内全域で休業を要請する。大阪駅前にいたタクシー運転手の男性(68)は、コロナ前と比べ1日の売り上げが半分になっているが、宣言でさらに減るとみている。「朝の通勤時間帯の客は変わらないと思うが、夜に飲んだ後の客がさらに減って厳しい時期が続く」と話す。
大阪府は4月25日に3回目の宣言下に入り、6月21日に「まん延防止等重点措置」に切り替わり、重点措置が7月12日に延長されていた。今回の宣言が4回目になる。2日は北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県に「まん延防止等重点措置」が適用された。(堀之内健史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル