戦後75年。戦争体験者が減っていくなか、平和を学び伝える形も変わりつつある。戦後生まれの親や教師に育てられた大人(第3世代)から、今の子どもたち(第4世代)へ。「平和のバトン」はどう手渡せばいいのだろう。(聞き手・西村悠輔)
東京女子大准教授・竹内久顕さん「被害も加害も重層的理解を」
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たけうち・ひさあき 1962年生まれ。東京女子大准教授(教育学)。編著に「平和教育を問い直す」
日本では、子どもたちに戦争の悲惨さ(被害)を教える体験継承に力を入れてきた。しかし戦争が起きた原因を分析することや、紛争のない世界の展望を考えるという「先の目標」は達成できただろうか。体験者のいない時代を見すえ、新たな知見や技術も活用し、学びの方法を広げていくべきだ。
今の小中学生にとって、第2次世界大戦は遠い過去の歴史にすぎない。戦争の話を一方的に伝えても現実感が持てず、トラウマになる子どももいる。
今の日常につながる出来事として、心の中で再構築させる工夫が必要だ。近年は生徒らが被爆者への聞き取りを通じて、▽原爆の絵を描く▽VR(仮想現実)再現映像を作る▽AI(人工知能)で白黒写真をカラー化する――といった面白い試みも出てきている。
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一方、加害はどう教えられてき…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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