北崎礼子 阿部浩明
「貧乏くさい」。秋田県の佐竹敬久知事が酷評した愛媛県の特産品「じゃこ天」の売れ行きが伸びている。「うちの知事がすみません」。秋田からの注文が目立ち、謝罪のメッセージも一緒に寄せられているという。
「今話題の(?)“じゃこ天”」。東京・新橋にあるアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」ではそんな売り文句と共に、15種類のじゃこ天が並ぶ。佐竹知事は10月23日、秋田市であった地元の政財界人が集まる会合で、秋田の魅力をアピールしつつ、全国知事会で四国を訪れたことに触れ、「じゃこ天。貧乏くさい」などと発言。批判を受けて謝罪した。同時にじゃこ天が話題となり、店では1日50個前後だった販売数は倍増。急きょ、愛媛県の製造販売元へ注文を増やした。
「私、秋田出身なんです」。そう店員に伝える客も多いといい、「じゃこ天を応援したいと思ってくれているようです」と斎藤誠店長。「最初はどうなるかと思ったが、佐竹知事の発言でじゃこ天が注目された。災い転じて福となす、です」
愛媛県の製造販売元にも秋田県からの注文が増えている。愛媛県宇和島市の田中蒲鉾(かまぼこ)本店では発言後、1日5件程度だったネット注文が倍に。ほとんどがめったにない秋田県からの客で、「我が知事が失礼なことを申して申し訳ございません」「この度私たちの知事のことですみません」など、謝罪の言葉が添えられているという。
山下美樹代表(59)は、「佐竹知事の発言を聞いて、え?と思ったけれど、じゃこ天をご存じなかった人に知ってもらえた。秋田の人から温かい言葉をいただき、前向きにとらえています」。
おとしめられたじゃこ天だが、原材料となる瀬戸内近海のホタルジャコなどは近年、漁獲高が減って値上がりしているという。山下代表は「魚の取り合いの状態。決して貧乏くさい品ではありません」。
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安岡蒲鉾店(同市)の安岡弘…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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