大阪を拠点にスポーツ実況、イベントMCなどで活躍するMCハッシーさん(45)が今月16日、外国人の就労支援施設である「YOLO BASE」(大阪市)と共同で「声トレ 1・2・3!」を初開催した(日本ドローンネットワーク協会協力)。当初は大阪市内で行う予定だったが、新型コロナウイルスの影響でオンラインでの開催となり、全国からさまざまな年代の約10人の男女が参加。声が低めの記者も一緒に「声トレ」を体験させてもらった。
声のトレーニングとは言っても、歌手が受けるボイストレーニングぐらいしか思い浮かばない。どんなことをするんだろうと疑問だったが、約1時間にわたるレッスンはまず体のストレッチからスタートした。声がよく出るように肩周りやあごなど、上半身を中心にほぐしていく。パソコンの前で座ったままできるのもありがたい。その後、滑舌を鍛えるために口の中で舌を全力で動かす動きにもトライ。今までにあまりしたことない動きであるため、思いの外しんどく、少しずつ顔回りを中心に体が熱くなってきた。
次はいよいよ実際に声を出していく。MCハッシーさんから腹式呼吸と胸式呼吸の違いについて説明を受け、腹式呼吸で長い音と短い音を出す練習をしていく。声を出す時に表情もつけるようにすると、表情筋が鍛えられ、小顔効果や滑舌アップにもつながるそう。呼吸や表情を意識するだけでこんなに声の大きさや質って変わるんだと驚いた。MCハッシーさんいわく、声トレのいいところは「自分の殻を破れるところ」だという。確かに人前で大きな声を出すとなると少し恥ずかしいし、日常でなかなかそういった機会もない。しかし声トレという大義名分があり、なおかつ画面の向こうで同じように声を響かせる参加者の姿を見ていると、負けるもんかという気持ちすら出てくるから不思議だ。
最後は全員で画面上に映された紙に書かれた「あえいうえおあお…」という文字を大きな声で読み上げていく。おなかから声を出し、滑舌にも意識しながら何度も繰り返す。最初より声が出るようになり、声を出すことを楽しんでいる自分に気がついた。締めは参加者それぞれが磨いた声で簡単な自己紹介を披露して、記念すべき第1回目の「声トレ」は終了。あっという間の1時間、終わってみれば体もポカポカ温まり、思わず部屋の暖房を切ったほどだった。
参加者の40代のカフェ店員の女性は「声を出すのは体を使うことが分かりました。表情も相手に伝える上で大事で、笑顔で話すことは大事なのだと教えていただきました」と笑顔を見せ、20代の学生の女性も「練習方法が分かったので、これから毎日練習していきたいです」と意気込んだ。親子での参加も2組おり、小学生の息子と一緒に参加した40代の主婦は「腹式呼吸はダイエットにもなりそうですね」と声トレの効果を実感している様子だった。
今回の「声トレ」はMCハッシーさんと、外国人の就労支援施設「YOLO BASE」(大阪市)で働く株式会社「YOLO JAPAN」の浜田広大さん(38)が、外国人も巻き込んだ企画を計画する中で生まれた。声トレについてMCハッシーさんは「普段あまり気にとめない自分の声と向き合う時間です」と話す。しかしそこにできたできない、良いも悪いもなく「声って世界で唯一自分だけが持つ大切なもの。その声が大切なんだと思ってもらえて、さらに声トレでその声、いわば原石を磨いて好きになってもらえることを願っています」と思いを込めた。今後は日本で働く外国人が日本語を学ぶ場にもしていきたいといい、浜田さんも「今後も声トレを通じて、いろんな人と仲間になって、外国人ともつながっていきたいです」と目標を語った。
発声練習というと難しかったり、照れくさいのではという不安もあったが、MCハッシーさんの明るい進行もあって、楽しい“おうち時間”を過ごすことができた。最近在宅勤務が続いていたが、良いストレス発散にもなった。教わった発声方法でこれからも練習していこう!と、自分の声に対するコンプレックスも少し和らいだように感じる。次回は4月28日に第2回の開催が決定した。MCハッシーさんは「次回も是非声トレをしながら、オンラインで一緒に過ごしましょう」と呼びかけた。時間は18時30分から19時15分までの予定で、参加費は500円。当日の参加申し込みも受け付けている。参加方法など詳しくは「YOLO BASE」のHPまで。(筒井 琴美)
◆MCハッシー イベントMCやフットサル、ドローンレース実況などで活躍中。2009年に開幕した野球の関西独立リーグ(初代)の開幕戦(京セラD)でスタジアムDJを務め、その後2年間大阪球団のスタジアムDJを担当。最近では昨年W杯に出場したデフ(聴覚障がい者)フットサル日本代表の応援MCも務めた。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース