「おかん、なんで泣いてるん?」
1月下旬、大阪府に住む中学教諭の西村史さん(60)は、風呂上がりの息子からそう声をかけられた。
こちらをのぞき込んでくるひげ面の22歳に、幼い頃の面影を重ねる。
944グラムで生まれ、保育器の中で管につながれていた我が子。
体が弱く、両手をひらひらさせて歩く姿を「おばけみたい」とからかわれた小学生時代。
「お前は障害者やから学校来んな」「消えろ、クズ」
そんな暴言を浴びせられ、青あざだらけで帰宅したこともあった。
中学受験をして私立中へ進んだが、そこでもいじめに遭う。
教師に相談した時に言われた言葉が、今も忘れられない。
「注意してもいいですけど、お子さん学校で浮きますよ?」
公立中に転学してからもいじめられ、中2の途中から自宅で学習するようになった。
小学校も中学校も、卒業式は欠席。
高校生になって登校できるようになり、大学に進学した。
体もすっかり大きくなり、ひげ面になったことで、年齢以上に貫禄もある。
そんな息子が「俺、また何かやらかした?」と尋ねてきた。
そうか、そうだよね。
風呂上がりに母親がリビングで泣いてたら、ビックリするよね。
「私が泣いていた理由はね…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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