「おかん」が泣いていた夜に 22歳になったランドセル俳人の現在地

 小学生で初の句集を出し、「ランドセル俳人」として注目を浴びた小林凜(りん)さん(22)。

 944グラムの未熟児で生まれ、小学1年生のころからいじめられてきた。

 「お前は障害者やから学校来んな」「消えろ、クズ」

 そんな暴言を浴びせられ、青あざだらけで帰宅したこともある。

 中学受験をして私立中に進んだが、そこでもいじめに遭う。

 公立中に転学しても同じで、中学2年生の途中から自宅で学習するようになった。

 小学校も中学校も、卒業式は欠席。

 高校生になってから再び学校に通えるようになり、大学に進学した。

 高校は電車通学で、毎朝、中学教諭の母(60)が車で駅まで送ってくれた。

 駅までのバスは本数が少なく、歩けば30分はかかる。

 アップダウンのある道で自転車も大変だから、通勤時間を少し早めて乗せていくよ、となった。

 荷物が多いこともあって、凜さんが座るのはいつも後部座席。

 母がカーオーディオからFMを流しているけれど、気にせず自分のiPhoneで好きな曲を流す。

 車窓からボーッと外を眺めるのが好きだった。

 この人、いつも同じ時間に歩いてる。あの人、絶対に横断歩道を渡らないよな。

 もっさりとした緑の葉も気づけば黄色くなり、幹と枝だけに。

 かと思えば、いつの間にかイルミネーションで飾られている。

 同じく電車通学だった大学時代も含めると通算7年間、駅まで送ってもらった。

母が泣いていた理由は

 今年1月下旬、アルバイトを終えて帰宅し、いつものように風呂に入った。

 湯上がりにリビングへ行くと、母が椅子に座って泣いている。

 思わず「俺、また何かやらかした?」と尋ねた。

 捕まえた虫をそのまま放置したことかな? それとも……。

 心当たりがいくつかあったが、たぶん、泣かせるほどのことではない。

 すると母が「泣いていた理由は…


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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