河野太郎行革担当大臣が求めている省庁での「ハンコ廃止」。ハンコといえば名古屋市・西区に本社を置く「シヤチハタ株式会社」ですが、どう受け止めているのでしょうか。すでにデジタル化を見据えたサービスの開発も進めているといいます。 「脱・ハンコ」への流れをどう受け止めているのでしょうか。シャチハタの担当者に聞いてみると。 「複雑な気持ちではありますが、やはりいいものは残し、変えていくものは変えていくのがいいと考えています」 (シヤチハタ株式会社・小倉隆幸さん)
誰もが一度は見たことがあるシヤチハタの愛称を持つ「ネーム9」。朱肉なしハンコの市場で8割を超えるシェアを誇ります。
さらに「スタンプ」を作る技術を応用し、SNSで大きな話題を呼んだ「迷惑行為防止スタンプ」や、2016年に販売を始めた「手洗い練習スタンプおててポン」など、ユニークで実用的な商品を次々と生み出してきました。
電子ハンコは1995年から開発
それだけではありません。すでにデジタル化を見据えたサービスの開発も進めていたのです。
パソコンで書類にハンコが押せる電子決裁システム、「パソコン決裁Cloud」です。ワードやエクセル、PDFといった事務書類を作るための、一般的なファイルに対応しています。 「パソコン画面上でクリックすると印鑑が打てます。画面上の押したい場所に印鑑のアイコンを持っていって、クリックするとこれで捺印ができます。」(小倉隆幸さん) 電子印鑑を、実際のハンコと同じデザインにしていることもこだわりの1つです。
「新しい生活様式」にうってつけの電子決裁システムですが、開発を始めたのは新型コロナが理由ではない、と小倉さんは話します。 「実は1995年に開発をしています。Windows95が日本に入ってきたことをきっかけに、最初のバージョンを開発しました」
「Windowsが日本に入ってきて、紙がなくなるのではないかという危機感から、パソコン上で捺印ができるサービスを開発しました」(小倉隆幸さん) 時代を先取りした電子決裁システムですが、開発当初はまったく反響がありませんでした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークが推し進められたことで申し込みが殺到。去年の申し込みは月に2000件ほどでしたが、今年3月から6月にかけ、無料提供を行ったこともあり、申し込み件数は4か月で27万件にも達しました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース