「おばさん」と他人から言われると、腹が立ちます。でも、もともとの意味は「中年女性」。それがなぜ、嫌な言葉になってしまったのでしょうか。「我は、おばさん」の著者で文筆家の岡田育さんに話を聞きました。
おかだ・いく 1980年生まれ。文筆家。ニューヨーク在住。出版社勤務を経て2012年から執筆活動を始める。著書に「我は、おばさん」「ハジの多い人生」「嫁へ行くつもりじゃなかった」など。
――「おばさん」と呼ばれると嫌な気持ちになります。
「『おばさん』を蔑称と感じる女性は多いと思います。でも、辞書に書かれている意味は『中年女性』か『父母の姉妹』。どこにもネガティブな意味はありません。それなのに嫌な気持ちになるのは、なぜなのか」
弱体化させられた中年女性
「それは、女性が年をとることをネガティブにとらえるときに使われてきたからです。『社会の中で、そう使われてきたから』ということに他なりません。『女子高生のうちに人生謳歌(おうか)しろ』とか、『ああなったらおしまいだよ』といった言葉に、『おばさん』は弱体化させられています」
「おばさん」という言葉が、なぜネガティブな響きを持つのか。その理由に「社会での使われ方」を指摘する岡田育さんは、同時に、「おばさん」が持つパワーについても話してくれました。しばしば聞かれるという「『おじさん』と何が異なるのか」についても、記事後半で言及しています。
「その結果、女性自身も『若…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル