決戦の前夜、福岡第一のエース、崎浜秀斗(3年)はホテルのベッドで、体のケアを受けた。
トレーナーの西丸太一さん(27)は、試合で崎浜の視線がうつむきがちだったと思い出した。「乗り切っていない」ときの表情だ。
「あと1試合。自分でやりきれ」。西丸さんの言葉に崎浜は答えた。
第76回全国高校バスケットボール選手権大会(WC、ソフトバンク ウインターカップ2023)は29日、決勝があり、福岡第一が福岡大大濠との「福岡対決」を制し、4年ぶり5度目の優勝を飾った。
「明日は自分でやります」
西丸さんは普段、プロバスケBリーグ2部のライジングゼファー福岡のU15、U18チームを教えている。週末や早朝の時間は、福岡第一の体育館で、選手のリハビリなどを担っている。
平日は朝6時に誰よりも早く体育館に着く。毎日のように選手とLINEで会話を重ね、「ささいな痛みでも教えて欲しい」と繰り返し伝えた。小さな変化を見逃さないためだった。
井手口孝監督は「選手は、お兄ちゃんのように慕っている」と話す。
しかし、西丸さんにとって、崎浜のけがは青天のへきれきだった。
9月下旬、試合中に相手選手…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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