【#父親のモヤモヤ】
育児に積極的な父親が増えている中、母親だけでなく父親の「産後うつ」リスクも指摘されています。6歳の娘を育てるライターの遠藤光太さん(31)は、「産後うつ」の当事者です。職業人としての責任はそのままに、子育てをしなければならない、頑張らなければならないと、「“父親としての自分”への過剰適応」があったと話します。父親の心理的な孤立についてつづってくれました。 【子育てマンガ】「パパに愛想ふりまくの疲れるよなー」 ツンデレ!?赤ちゃんとパパの関係描く 【#父親のモヤモヤが書籍になります】
昨年6月に始まった連載「#父親のモヤモヤ」が『妻に言えない夫の本音 仕事と子育てをめぐる葛藤の正体』というタイトルで、朝日新書(朝日新聞出版)から10月13日に発売されます。「イクメン」の誕生から10年。男性の育児が促される一方、葛藤を打ち明けられずに孤立する父親たち。直面する困難を検証し、子育てがしやすい社会のあり方を考える一冊です。詳細はhttps://amzn.to/2RhxPxw。
私たちの「父親像」っておかしい?
「今日、お母さんは?」 父親の私が平日に半休を取得し、生後4ヶ月の娘を予防接種に連れて行ったときのことでした。看護師さんは、私と抱っこひもにおさまる娘の2人を見て、母親の不在を気にかけました。「父親ではダメでしょうか?」……とは言いませんでしたが、「育児は母親のもの」、特に「乳児を育てるのは母親」と思われているのを感じ、モヤモヤしたのを覚えています。 妻は職場からの要請により、娘が生後3ヶ月の頃から復職していました。私も会社に勤務していた状況で、夫婦が協力して予防接種や保育園の送り迎え、家事などをこなし、子どもや暮らしと向き合うことを当たり前だと思っていました。しかし、そうした夫婦のあり方や父親像は、地域社会で「普通ではない」と思われてしまう場面もまだまだあります。私が「今日、お母さんは?」と言われてしまったように。 他にも、保育園の面談に夫婦揃って行くと、担任の先生はほとんど妻の目を見て話し、(悪気はないと思いますが)私を見てくれません。「父親も子育ての当事者なのに」と感じました。また、平日の昼間に開かれた保護者会に私が行くと、教室にいた父親は私だけで、存在が際立ってしまいました。 そうした視線に直面しながら、私たち父親は仕事と子育てに取り組んでいます。たとえ家族の中では納得し合っていても、特に出産期から乳児期にかけて負荷が高い子育ての苦労が理解されず、心理的に孤立していくことがあるように感じます。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース