「がんばろうKOBE」忘れない 神戸市民の熱いオリックス愛 

 プロ野球日本シリーズが20日に始まり、オリックスがヤクルトと戦う。阪神・淡路大震災があった1995年に神戸の球団としてシリーズに初出場し、翌年は日本一になったオリックス。「がんばろうKOBE」を掲げて戦う姿に勇気づけられた神戸のファンたちは、チームが大阪に移っても、当時の思いを忘れてはいない。シリーズ第6、7戦は神戸である。

店を焼失、ベニヤ板に商品並べた

 神戸市長田区の大正筋商店街。日本茶販売店の伊東正和さん(72)は今年、新型コロナ禍で閑散とした通りを眺める日々が続いた。

 「生活が成り立たんというところまでいった」。飲食店からの注文がほぼなくなり、来客も4割ほど減ったという。

阪神大震災で失った店を再建した伊東正和さん=2021年11月2日午前11時58分、神戸市長田区、安井健悟撮影

 気持ちを奮い立たせてくれたのが、昨季まで6年連続Bクラスだったオリックスの大躍進だ。

 四半世紀前の記憶が重なる。阪神大震災で商店街のほとんどの店が焼失した。伊東さんの店もだ。

 1カ月後、大阪で店を営む兄に分けてもらった急須や茶葉をベニヤ板に並べ、商売を再開させた。

伊東正和さんは震災1カ月後、焼失した店の前で営業を再開。ベニヤ板の上に茶葉などを並べた=1995年2月、神戸市長田区、伊東さん提供

 何とか立ち上がろうとしていた時、選手らも被災したオリックスが、快進撃を続けていた。もとは近鉄ファンだった伊東さんも、とりこになった。

 6月にできた仮設商店街には…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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