「きしゅくしゃをつづけて」 特別支援学校生の自立の場、廃止の危機

 琥珀(こはく)君(17)の自宅は栃木県最北部、福島県境にある。栃木県立那須特別支援学校高等部の2年生。那須塩原市にある学校は自宅から30キロ以上離れており、平日は校舎裏の寄宿舎で過ごす。

 寄宿舎の日々は規則正しい。午前7時45分から朝食。夕食は午後5時30分から。ちゃんと食べているだろうか。中1で初めて入舎し、最初の1週間、琥珀君の母親(45)は時計を見ながら寂しさと心配で泣いていた。

 ところが、金曜の夜に帰ってくると、開口一番、「楽しかったー」。寄宿舎の友達の話が始まる。こんなにしゃべる子だったかな。「早く月曜日にならないかなあ」。待ちわびるわが子の様子にも驚かされた。

 栃木県教育委員会は特別支援学校にある寄宿舎を廃止すると決めました。障害のある子どもたちが親元を離れ、寝食をともにしながら、自立にむけて必要なことを学んできた場です。生徒も親も存続を願っています。なぜ、廃止するのでしょうか。現地で取材を続けてきた小野智美記者が伝えます。

 当時の寄宿舎生26人の中で…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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