「この子、良い子なんだからね」避難所で撮ったぬくもり

 東日本大震災から10年がたちました。発生直後から現地で取材したフォトグラファーたちは何を思い、ファインダー越しに被災地をどう見つめていたのか。「あの日の写真」を振り返ります。

拡大する避難所での炊き出しで、配給のパンを受け取り涙を流す女性=2011年3月16日午後、岩手県釜石市、川村直子撮影

 3月11日の地震発生時、私は船の中にいた。1週間の休みをもらい、三宅島へ。2000年の噴火が鎮まった後、帰島したものの元の生活に戻れない人々を訪ねた帰りだった。

 11日中に東京に着くはずだった船は、津波の影響で航路を変更。翌12日、東京・竹芝埠頭(ふとう)に接岸した。そのまま歩いて築地の本社へ行き、すぐに車で東北へ向かった。

 岩手県釜石市に入ったのは13日朝。崩れた建物や屋根の上にある車、火災による焦げ跡……。地震と津波の激しさを物語る光景の中を、住民らが行き交っていた。

 家族の安否が分からないまま、…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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