医学部入試不正問題で、日本大(東京)は17日、調査検証委員会の報告書を公表した。同大は昨年12月、2016~18年度の一般入試で追加合格者を決める際に同大医学部卒業生の子どもを優先したと発表しており、調査検証委も認めた。
同委員会は、医学部以外の教職員や弁護士ら計4人で構成。報告書によると、2次、3次の追加合格者を決める際に同窓生の子どもを優先させたことで不合格になった受験生は、16年度2人、17年度8人、18年度2人の計12人。日大は、希望すれば入学を認めることとし、3人が入学した。日大は今年3月、12人に対し、補償金一律20万円の支払いを決めたが、複数の受験生からは了承を得られず、話し合いを続けている。
また、報告書によると、15年度入試でも不自然に下位の受験生が追加合格となっている可能性がある。ただ、調査検証委は「これ以上の調査を実施しない」としている。
追加合格者の決定は、医学部長や事務局長ら3人が、同窓会から渡された受験情報を参考にしていた。大学側は、同窓生の子どもであれば、追加合格した場合に辞退することがないと想定したことから合格させていたという。(山下知子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル