大分県の8月の観光統計調査(速報値)で、県内に宿泊した韓国人客が前年同月比67・8%減の7574人となり、3年3カ月ぶりに1万人を下回ったことが分かった。韓国の格安航空会社(LCC)ティーウェイ航空が8月に大分と韓国を結ぶ3路線を運休したことに加え、福岡を経由して県内に訪れていた団体客のキャンセルが相次いでいるのが主な要因という。
8月の宿泊者数は42万9767人(前年同月比7・3%減)で、国内客39万3797人(同4・1%減)、外国人客3万5970人(同31・7%減)だった。韓国以外にも中国5353人(同23・6%減)、香港8241人(同4・3%減)と落ち込む一方、台湾が同9・9%増の1万1613人で韓国を上回り、国・地域別で首位に立った。
県観光局によると、韓国からの宿泊客が月1万人を下回るのは、熊本地震で大幅に減った2016年5月以来という。県は、約6割を韓国人客が占めていた訪日外国人客(インバウンド)の“脱韓国依存”を図るため、中国や東南アジアに加え、ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会を契機に欧米豪からの誘客を進める。(岩谷瞬)
観光地豆田、通り閑散 日田市
江戸時代の町屋風情を残す日田市豆田町。7月以降、同市有数の人気観光スポットでも大型バスはほとんど見られず、韓国人ツアー客が激減。観光関係者は頭を悩ませている。
「28年間でこんな状況は初めて」。土産物店を開業して以来の閑散とした状況に、店主の武内かずえさん(71)はぼやくしかない。名産の「天領日田げた」やようかんの売り上げは減少し、従業員の出勤日数も減らしたという。同じ通りに支店を構える日田醤油は、6月に予定していた改装を見送った。「早く韓国人客が戻って来てほしいんだが」。中山英明社長(48)は改装に着手する日をまだ決めていない。
市によると、2018年の日田市への外国人宿泊者は14万6千人。うち8割が韓国人客だった。16年は6割、17年は7割と順調に伸びていたが、19年は6割まで落ち込む見通しだという。
こうした状況を受け、原田啓介市長は9月の市議会本会議で「韓国頼りを改める」と表明した。福岡や北九州など九州10市と協力して米国からの誘客を目指す。訪日客の多いタイへの売り込みも強化する方針だ。
転換点にある日田観光だが、市観光協会は別の見方を示す。従来、豆田町は年配の国内客が多かったが、近年、若者向けのカフェもでき「新しい客層を呼び込める流れがある」という。黒木陽介事務局長(42)は「日本人客が行きたい町でないと韓国人客も来ない。魅力を整理し、再発信していきたい」と話す。(中山雄介)
西日本新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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