黒田陸離
性別による決めつけへの「もやもや」を表現しようと、広島県が初めて実施した「ちぃともやもや ジェンダー川柳コンテスト」の授賞式が5日、広島市内であり、最優秀賞に武田高校(東広島市)2年の長尾奏来(そら)さんの句が選ばれた。1649句の中から受賞した句は、県の啓発活動などで活用するという。
「ご飯まだ? 帰った時刻 同じだよ」
共働きの両親を持つ長尾さんは日ごろから、くつろぐ父が母にかけるひと言が気になっていたという。審査員長を務めた県立広島大の上水流(かみづる)久彦教授は「気持ちをストレートに表していて、家に帰って座ってテレビをつけている父親へ鋭い刃物をぱっと見せるような句」と高く評価した。
審査員の選考とは別に、入賞した30句から最も共感する句を選ぶ一般投票でも、663票中82票を集めて1位となった。長尾さんは「みんな同じことを思っていることにびっくりした。大人になる頃には、男性も女性もお互いをもっと尊重できる社会になってほしい」と話した。
このほか、優秀賞には「『手伝うよ』 じゃのぉて一緒に やりますじゃ」と「色眼鏡 押し付けられて 押し付けた」の2句、審査員賞には「理系です 『女なのに?』は 余計です」と「早帰宅 見送る上司の 子は3歳」の2句が選ばれた。(黒田陸離)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Think Gender
男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る]
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment