宮城県白石市の市立白石第一小学校で昨年4月、校庭の防球ネットの木製支柱が折れて直撃した児童2人が死傷した事故で、宮城県警は3日、同校の男性校長(60)=白石市=と男性主幹教諭(57)=大河原町=を業務上過失致死傷の疑いで仙台地検に書類送検し、発表した。2人に起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたとみられる。
捜査1課は、2人は支柱の状態を把握し、倒壊を防ぐ注意義務があったが、必要な点検や教職員への具体的な点検方法の指導をせずに、支柱を危険な状態のまま放置した、と判断したという。
校長は学校全体の安全管理を統括、主幹教諭は校内の安全点検について教職員に指示する立場で、ともに過失があるとした。2人は容疑を認めているという。
事故は、昨年4月27日午後3時ごろ、放課後の校庭で、男子児童数人が防球ネットで遊んでいたところ、ネットを支える木製支柱1本が折れ、小学6年の児童2人に直撃した。松野翔慎さん(当時11)は頭を強く打って死亡し、もう1人はあごの骨を折るなどの重傷を負った。
県警はこれまでに、学校関係者ら約180人に事情聴取。今回の書類送検で、県警の捜査は終結した。
事故後、白石市教育委員会は事故調査委員会を設置。学校の安全管理が不十分だったと指摘した昨年10月の答申を受け、安全に関する年間計画や点検マニュアルを作成するなどの再発防止策を進めてきた。
書類送検を受け、白石市の山田裕一市長は報道陣の取材に、「大変重く受け止めている。二度とこのような事故を発生させない決意で対策に取り組んできた。これからも、子どもたちの安全な学びの場を何としても確保する覚悟です」と話した。(三井新)
「書類送検はひとつの区切り。でもそれで翔慎が帰ってくるわけではない」。事故で亡くなった松野翔慎さん(当時11)の祖父、松野久郎さん(68)は3日、宮城県白石市の自宅で取材に、そう話した。
8畳ほどの和室にある仏壇に…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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