(悩みのるつぼ)相談者
40代男性です。過去に起きた出来事を悔やんでしまい、嫌なことを忘れられない性格を変えたいと思っています。
数え上げるとキリがありませんが、幼少期のいじめや教師の体罰に始まり、社会人になってからは、婚約者との別れや、上司からのパワハラ、部下の反抗的態度などの人間関係で生じた問題……。さらには、新入社員時代の自己紹介で失敗したことや独身時代に遊興費を使いすぎたこと、仕事のプレゼンで思い通りに進行できなかったことや、通勤途上で腹痛から遅刻をしてしまったことなど、日々、反省や後悔の思いとともに振り返ってしまいます。
社会生活を送る上では誰でも経験すること、と思いながらもなかなか忘れられず、悔恨を繰り返し、感情の中に浮かんでは消え、消えては浮かんできます。割と記憶力があり、他人が覚えていない出来事も覚えていることが多く、「すぐ忘れてしまう」と言える人たちがうらやましくて仕方がありません。
記憶力は、仕事や日常生活にも役立つことがありますが、嫌な出来事を忘れられないことは、これから生きていく上で、足かせにしかなりません。現在は妻子に恵まれ、教育や育児など、日々考えなければいけないことも多いのに……。
このような性格や考え方を変えるにはどうすれば良いか、アドバイスをお願いします。
回答者 政治学者・姜尚中さん
あなたは「不惑」を過ぎ、家庭に恵まれ、仕事の上でもそれなりに順風満帆なようです。それなのに、過去の嫌なことや恥ずべきこと、忘れてしまいたいことが、まるであなたの脳髄をゾロゾロと這(は)い回ってはあなたを苦しめているようですね。きっと真夜中に、過去の出来事がまざまざと蘇(よみがえ)ってなかなか寝られないこともあるのではないでしょうか。
実を言うと、私の母がそうでし…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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