「すべての被災地を思い」頂点へ 女子バレー JT・高橋茉莉奈選手

 バレーボール女子V1リーグが大詰めを迎えている。兵庫県西宮市を練習拠点とするJTマーヴェラスはレギュラーシーズンを首位で終え、3月3日の最終ステージ決勝で3季ぶりの優勝を狙う。入団3年目のミドルブロッカー、高橋茉莉奈(まりな)選手(25)は特別な思いを胸に大舞台に臨む。勝てば自身初のリーグ制覇。この日のために、跳べない日々を何度も乗り越えてきた。

 山形県生まれ。6歳で移り住んだ仙台市でバレーと出会った。マンションの廃品回収当番で、地域のスポーツ少年団の関係者から誘われた。恐る恐る練習の輪に加わると、すぐにその楽しさのとりことなった。

 そして、13年前のあの日。小学校の卒業式を1週間後に控えていた。近所の公園で友達と鬼ごっこをしていると、木々にいた鳥たちが一斉に飛び立ち、その瞬間、地面が突き上げられるように大きく揺れた。

 自宅マンションは一部損壊。ライフラインはすべて止まり、家族と小学校に身を寄せた。「夜がとにかく寒かった。バレーどころじゃなくて、毎日を乗り越えるのに必死でした」

 家族を失ったバレー仲間もいた。海沿いに住む友人の家は津波で流された。よく試合をしていた別のスポーツ少年団の監督は津波の犠牲になった。

 約1カ月半後、中学に進学し…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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