夏の定番メニューといえばそうめん。気温が上がり暑くなってくると簡単に作れ、のどごしのよいそうめんは食卓に欠かせません。そうめんの歴史は古く、奈良時代の「索餅(さくべい)」というお菓子の一種がルーツだといわれています。庶民の間で広く食べられるようになったのは江戸時代からのようです。 子どもから大人までに好かれている国民食そうめんの最大の美点は、麺を茹で、麺つゆを用意するだけで簡単に食べられることでしょう。 しかし、つるんとしたのどごしと麺つゆの絶妙の相性となるとなかなか難しいものがあります。おいしく食べる方法を東京広尾の名店『分とく山』の総料理長、野﨑洋光さんに伺いました。
たっぷりの湯で茹でるのが基本
「そうめんは、茹で具合にムラを作らないために、たっぷりの湯で茹でるとよいでしょう。麺を入れたら直ぐに箸でほぐすことで麺同士がくっつきにくくなります。ただ、必要以上にかき混ぜると麺が切れてしまうので避けましょう。茹で上がったら素早く冷水(氷)でしめることで、心地よいのどごしで美味しい茹で上がりになります」(野崎さん) また、最大の決め手は“つゆ”だといいます。 「そうめんはやはりつゆが大切です。出汁にしょうゆとみりんですが、冷たく召し上がるときは出汁を濃くすることで美味しくなります。そうめんの食べ方によって調味料や分量を変えてください。それぞれの黄金比率は以下の通りです」(野崎さん) ▼氷そうめん=出汁4:しょうゆ1:みりん1
▼ざるそうめん=出汁8:しょうゆ1:みりん1
▼ぶっかけそうめん=出汁20:しょうゆ1:酒1
トマトが出汁になる!?
夏バテ対策にも効果的なオリジナルの食べ方を教えてもらいました。 「トマトジュースで出汁いらずの“つゆ”ができます。トマトはカツオや昆布の5倍くらいの旨味を持っているのです。トマトジュースに対し、半分量の水と、1/10の薄口しょうゆの麺つゆを試してみてください(わかりやすい分量=トマトジュース200cc:水100cc:薄口しょうゆ20cc)。野菜からも出汁がとれるということを覚えておきましょう。 また、冷や汁の中に茹でたそうめんを入れて食べるというのもおすすめです。味噌と出汁を合わせ、きゅうりや大葉などの具材で一度にさまざまな栄養を摂取できる冷汁は、夏の栄養補給にも向いています」(野崎さん) そうめんはポピュラーで人気があるだけにさまざまな調理法があります。作る人ごとのレシピが存在するといってもいいかもしれません。薬味ひとつをとってもネギ、ショウガ、ミョウガ、大葉、海苔、ゴマ、大根おろしなど何でもありの世界です。しかし、茹で方、麺つゆなどの基本はしっかりおさえて、よりいっそう美味しくそうめんをいただきたいものです。
ウェザーニュース
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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