東武伊勢崎線竹ノ塚駅(東京都足立区)近くの「開かずの踏切」が20日、解消される。17年前の3月15日、歩行者が列車にはねられ2人が死亡、別の2人がけがをした踏切だ。危険だった踏切がなくなることへの歓迎と、風化してしまう懸念。母を亡くした遺族は、複雑な思いを抱いて命日を迎えた。
「17年間で周辺は変わったが、母が戻ってくるわけではない。もっと早く高架化していればという思いが大きい」
加山圭子さん(66)は15日朝、こう話した。毎月現場を訪れ、事故当時は手動式だった踏切が自動化され、非常ボタンなどが設置される様子を見てきた。道路の傍らには誘導員も立ち、列車が近づくと、「お急ぎの場合は地下自由通路をお通りください」と音声アナウンスも流れる。ただ、対策は進んでも後悔の念は消えない。
母の高橋俊枝さん(当時75)は2005年3月15日午後4時50分ごろ、自転車で買い物の途中、時速90キロの準急列車にはねられた。当時の保安係が誤って遮断機を上げてしまったことが原因だった。両親は結婚50年を迎えたばかりで、春には家族でお祝いをするはずだった。
朝のピーク時は、遮断時間が…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル