「たたき上げ」ならすごい? にじむ共感と世襲への反感

 「たたき上げの政治家」。菅義偉首相を評して、多くのメディアで使われてきた言葉だ。では「たたき上げはすごい」のか。そもそも「たたき上げ」って何だろう。

杉田孝明さん「嫌らしい人にならないよう、自戒」

 18歳の時、東京・日本橋の大衆的なおすし屋さんに入り、そこで12年間修業しました。不器用だったので、弟子たちの中でも技術的には完全な落ちこぼれでした。最初は出前ばかりに行かされて、ペティナイフすら持たせてもらえない。30歳で独立し、今の店はお任せで1人前2万8千円にもかかわらず、「日本一予約がとりづらいすし屋」とも言われるようにまでなりました。自分はいわゆる「たたき上げ」だと思います。

 1973年生まれ。高卒後、東京・日本橋で修業を積み、30歳で独立。5年前に「日本橋蛎殻町すぎた」開店。

 修業先で学んだのは基礎の基礎ですが、その魚に合わせたしゃりの工夫など、そのお店で教わったことで今もそのままやっていることはゼロなんです。でも、基礎がなかったら全く何もできないですから。おすしには先人が培ってきた技術があり、独創性が売りになる他の料理とは違います。教わったものを自分なりに丁寧に磨き上げてきて、今があると思っています。

 今の世の中では、たたき上げが…

2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment