友永翔大
家族から行方不明の届けが出ていた高齢女性を保護した、新潟県上越市のバス運転手梨本孝雄さん(68)と同市立城西中学3年の阿部亘佑(こうすけ)さん(15)にこのほど、上越署から感謝状が贈られた。
7月30日午後3時40分ごろ、バスを運転中の梨本さんは市内の交差点で左折時、路上で「そわそわとした様子」の高齢女性が目にとまった。「行方不明の女性かもしれない」。市から1時間ほど前に届いた行方不明者を知らせるメールと髪色や服装が一致していた。バスを停止させて降りて女性に声をかけ、110番通報した。
阿部さんは下校中にその場を通りかかり「ただ事ではない」と感じた。女性を見ると、背中が汗でぐっしょりぬれていた。その日は真夏日。「熱中症で脱水症状を起こしているかも知れない」。近くの家に駆け込み、2リットル入りペットボトルのお茶とコップをもらい、女性に飲ませた。家で祖母の介護を手伝っており、姿が重なったという。「パトカーがもう少しで来るから大丈夫」と声をかけ続け、女性は到着した警察官に保護された。
後日、梨本さんと阿部さんは、女性の家族から「数十分遅ければ大変なことになっていたかもしれない」と言われたという。梨本さんは「自分も高齢者なので明日は我が身と考え、責任ある行動をとりたい」。阿部さんは、また同じ事が起きても「同じように行動したい」と話した。(友永翔大)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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