「とても長かった」救出劇30分 連携で溺れた男性救う

 約30分の救出劇だった。

 5月28日午前11時35分ごろ、長崎市小瀬戸町でガスなどを販売している商店従業員の福間圭太さん(26)、いとこの洋一さん(34)は正午前の休憩に入ろうとしていた。「一息入れようか」と話したそのとき、店のドアが開いた。買い物帰りだった松尾桃青(ちょうせい)さん(76)が「男性が海に浮いている」と助けを求めた。それを聞き、2人は近くの現場に小走りで駆け付けた。

 岸から約2メートル離れたところに男性(90)が仰向けで浮いていた。洋一さんはすぐに110番通報。圭太さんは柵を越え、海に入った。岸に沿ってあった岩を足場にし、腰まで水につかりながら男性を抱き上げた。男性の口に水が入らないように背中を持ち上げながら、「大丈夫ですか」と声をかけた。

 男性は呼吸はしていたが、反応はなかった。なんとか陸にあげようと、約20メートル離れた船が停泊している浅瀬に連れて行った。男性の首のそばにあったかばんが浮輪代わりになり、力を入れなくても浅瀬までたどり着けたという。

 海に入ってから消防が到着するまでの約30分間、岩から足を踏み外したり体温も下がったりし、「とても長く感じた」が背中を支え続けた。男性は救急車で運ばれ一命を取り留めた。

 6月26日、連係プレーの3人は長崎県警稲佐署から感謝状を贈られた。「助かって本当によかった」と笑顔で話した。(米田悠一郎)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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