近年ブームのサウナ。野球、サッカー、そしてフィギュアスケートなど、とりわけスポーツ選手の間で人気になっている。その分布図は首都・東京の錦糸町などの「激戦区」から、地方へと広がりを見せている。
例えば東北。サッカーのモンテディオ山形がスタジアムにテントサウナを設置した観戦イベントを開催した。ラグビーの釜石シーウェイブズ(岩手)やバスケットの青森ワッツの選手一覧をのぞくと、「趣味はサウナ」と答える選手が複数いる。ベガルタ仙台や秋田ノーザンハピネッツなど、公式グッズにサウナを取り入れるチームもある。
2023年11月26日の「いい風呂の日」。仙台市泉区の「スパメッツァ仙台 竜泉寺の湯」で、プロ野球・楽天の小深田大翔(28)と村林一輝(26)のトークショーがあった。楽天モバイルパーク宮城には選手やコーチが使えるサウナがあり、2人はそこで魅力に目覚めた。
村林は「球場のサウナで『ととのう』の意味を実感した」。小深田は「暑いのが苦手なので、最初に水風呂に入って体を冷やしてからサウナに入る」と独自のお作法を明かした。アスリートがサウナに魅せられるのは、心身の疲れを取り除きリラックスする「ととのう」ことにあるようだ。
フィギュアスケートの友野一希(25)=上野芝ク=は「ととのう」以外でサウナを活用する選手だ。
ナショナルトレーニングセンター(NTC)の「関空アイスアリーナ」近くにあるサウナに強化選手の仲間とよく行くという。
友野は「やっぱり『裸の付き合い』っていうのもあって仲良くもなれるし、結構コミュニケーションのツールの一つとしてサウナもありだな、と思います」。
サウナとはもう古い付き合いとなるアスリートもいる。野球の独立リーグ、埼玉武蔵ヒートベアーズに所属する由規(34)。仙台育英時代からのサウナ好き。07年の高校生ドラフト1位で入団したヤクルトの寮には、サウナがあった。その後移籍した楽天もサウナ「あり」だった。
「代謝を良くして体を絞ったり、夏バテ対策をしたりする目的で入るようになった。『ととのう』という言葉が広まる前から、その感覚はつかんでいた」
由規は今では球団イベントで「熱波師」に扮することもある。ファンのためにスポーツの「熱い風」を一緒に届けるつもりだ。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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