札幌弁護士会の相澤裕友弁護士に聞く
車を運転中、スマホやカーナビなどを使うことで注意力を欠き、事故を起こすドライバーが増えています。そうした中、2019年12月に道路交通法が改正され、いわゆる「ながら運転」に対する罰則が強化されました。車内で、ついつい手を伸ばしがちな便利なスマホですが、一瞬の行為が深刻な事故や厳しい取り締まりにつながりかねません。法改正と厳罰化のポイントについて、札幌弁護士会の相澤裕友弁護士に聞きました。(聞き手 三浦辰治)
反則金、違反点数が3倍に
――いわゆる「ながら運転」とは、法律でどのような行為とされているのでしょうか?
道路交通法の第77条5の5に規定されています。条文(一部略)は次の通りです。
「自動車、または原動機付き自転車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置を通話のために使用し、または当該自動車等に取り付けられもしくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと」
つまり、車が停止している時を除いて、運転中に携帯電話やスマホを使用する行為、そしてカーナビやタブレットを注視する行為。条文は、この二つの行為を「ながら運転」の定義とし、禁止しています。「食べながら」や「化粧しながら」は、ながら運転には当てはまりません。
――法改正で厳罰化の対象となったのは、どのような行為で、どれくらい厳しくなったのですか?
携帯やスマホなどを手で持ち通話するために使用する行為。そして<2>タブレットやスマホ、カーナビなどを手で持って画面を注視する行為。これら二つの行為については、従来の罰則は「5万円以下の罰金」でしたが、法改正で懲役刑が加わり「6月以下の懲役または10万円以下の罰金」となりました。
反則金も、普通車の場合で従来の6000円から18000円、違反点数も1点から3点と、ともに3倍に引き上げられました。
さらに、上の<1><2>に加えて、<3>タブレットやスマホ、カーナビなどの画面を手で持たずに、例えば車に取り付けられた状態で注視する行為。これらの行為をしたことで結果的に「交通の危険」を生じさせた場合、従来は「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」でしたが、法改正で「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」となりました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース