4月8日、留学先から帰国した富山大生がいる。海外での外出制限と帰国後の自宅待機で1カ月余り、さらにこれから2週間、故郷でも自宅待機が続く。
「帰ってきた喜びも、実感もない」。電話取材に応じた経済学部4年の林沙紀さん(21)は沈んでいた。
拡大するマレーシアに留学していた時の林沙紀さん(本人提供)
「多文化共生に何が大切なのか知りたい」と、マレーシアの大学に留学。官民協働の留学支援事業「トビタテ!留学JAPAN」の奨学金を受け、昨年10月からビジネスや現地の文化などを学んでいた。
だが、新型コロナウイルスの感染拡大で、1年だった留学は半年に。政府が不要不急の渡航をやめるよう呼びかけ、現地に残れば奨学金が止まることになり、「生活費を確保できなくなる」として帰国を決めた。
感染対策したが…
政府は、マレーシアからの帰国者に自宅などでの14日間の待機と、公共交通機関を使わないよう要請していた。林さんは東京都内の短期賃貸マンションを予約。送迎を知人に頼んだ。
拡大するPCR検査後、中部空港までの政府チャーター便に搭乗するため、成田空港で乗ったバスの車内。白いシートが張り巡らされている=林沙紀さん提供
だが、成田空港の検疫官は「そ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル