「なぜ学ぶ?」「故郷と重なった」 学生が水俣と向き合った34日間

 福岡市で11月14日までの34日間開かれた「水俣・福岡展」は、地元の大学生らが展示の説明員などとして運営を支えた。若者たちは水俣とどう向き合い、何を伝えたのか――。(伊藤未来、福井万穂)

 展示会場の入り口に掛けられた、ひときわ大きな少女の写真。水俣病の公式確認のきっかけとなった患者、田中実子さんだ。

 「この方は病気のせいで普通の生活ができず、話すこともできなくなりました。最後に発した言葉は『くつがはけない』だったそうです」

 西南学院大(福岡市)法学部3年の藤田汐音さん(21)はその写真を前に、自らの言葉で、来場者に説明した。

 水俣病を研究テーマの一つとする同大の田村元彦・准教授(地方自治論)のゼミに昨年入り、本や映像で学び始めた。今年、現地を訪れ、患者や家族の話を直接聞くと、見え方ががらりと変わった。

 自分の父親はどう見ても水俣…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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