「(つ)通販はクーリング・オフできません」「(ぬ)ぬけられない幸福求めた霊感商法」――。成年年齢が引き下げられたため、在学中に成人を迎えるさいたま市内の高校生が、消費者問題をテーマにしたかるたを作った。同市内の中学校でも消費者教育に活用される予定だという。
かるたを手がけたのは、県立浦和商業高校の生徒たち。2年生だった昨年6月、消費者トラブルを学ぶ授業の一環で、県消費生活支援センターの相談員による出前授業を受け被害事例などを学んだ経験がある。
夏休みに、出前授業で学んだことを「五・七・五」の川柳にまとめる宿題に取り組み、青木由紀子教諭(家庭科)やセンターの相談員らが44句を選んでかるたの読み札とした。絵札は生徒有志が描き、裏面に法律や制度の解説、注意点などを書き添えた。
かるた作りをリードした青木教諭は、昨年度から同センターで消費者教育の研修を受けている。「座学の授業では自分事として捉えられず、知識も定着しないと感じていた。自分で教材を作ったり他者に伝えようとしたりすることで、知識と関心が高まり、若年層の被害を減らすことにつながればと考えた」と話す。
かるたは100セット作り、うち60セットをさいたま市教育委員会に寄贈した。今後は、生徒が市内の中学校に出向いてかるたを紹介し、これまでに学んだ消費者問題について解説する実習を行うという。
かるた作りに参加した3年の上田初花さん(17)は「かるた取りを楽しんでいるうちに消費者トラブルへの理解が深まる」と話す。(小林未来)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル