大型で非常に強い台風14号が18日、3連休の九州を直撃した。鹿児島(奄美地方を除く)、宮崎には相次いで大雨や暴風の特別警報が出され、住民らは避難所で不安な一夜を過ごした。交通機関などへの影響も広がった。
避難所のガラス割れ、けが人も
18日正午前に最大瞬間風速50・9メートルを観測した鹿児島県屋久島町。同町に約20年前から住み、居酒屋「鮨(すし)居酒屋やしま」を営む寺田和子さん(73)は「今までの台風で一番強い」と驚いた。
これまで、島の知人たちから「屋久島は『台風の通り道』」と聞いてきたが、台風の脅威を感じたことはあまりなかった。だが今回は違った。18日午前9時ごろから風が強まり、「ここ数年なかった」(寺田さん)ほどの激しい雨。フェリーが欠航となった影響でスーパーの品薄も相次ぎ、「交通機関が止まっている間は店を開けられない。20日ごろには再開できたらいいけど……」と心配そうに話した。
鹿児島市のマンションの建設現場では18日午後、建設中の建物の最上階付近に設置されているクレーンが折れ曲がっていると通報があった。強風にあおられたとみられ、落下のおそれがあることから、消防や警察が周辺に避難を呼びかけた。
鹿児島県鹿屋市のパチンコ店「ロイヤルモナミ」では午前9時ごろ、ガラス製の壁(縦約5メートル、横約8メートル)が割れ、店内にガラス片が散乱した。店は臨時休業中で、けが人はなかった。羽子田秀人(はねだひでと)店長は「ここまで被害を受けたのは初めて。ふだんの台風では事務所で雨風の音を感じることはないのに、今回は音がすごい」と話した。
鹿児島市によると、市内で90代男性が強風で転倒し、足を骨折した疑いがあるなど2人が負傷。鹿児島県によると、ほかに東串良町の90代女性が避難に向かう際に風にあおられて左手首にけがをするなどした。
18日午後に大雨特別警報が出された宮崎県も、強い雨と風に見舞われた。
「風が強く、立っていられない状態」。宮崎県日向市の海辺で民宿「金ケ浜」を営む女性(47)は、不安そうに話した。18日朝から風雨が強まり、建物の真下まで波が届いているという。
民宿はサーフィン客が中心。17日からの3連休中は全13部屋が予約で埋まっていたが、飛行機の欠航などで次々とキャンセルの連絡が入った。「被害が出ないことを願うばかりです」
宮崎市では、6人が強風にあおられて転ぶなどして軽傷。宮崎県串間市では避難所となっていた市総合体育館でガラスが強風で割れ、女性1人が軽いけがをした。
避難所が満員、自宅で過ごす人も
台風14号の接近で、各地に開設された避難所に多くの人が身を寄せた。
宮崎市のJR宮崎駅近くの市…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル