一人のベテラン指導者が29日、ステージを降りた。
不来方(こずかた)高校(岩手県矢巾町)の教頭で、音楽部顧問の村松玲子さんは今年度で再任用教員の任期が終わる。青森市で開かれている全日本合唱コンクール全国大会がコンクールでは最後の舞台となった。
1990年に同校に赴任して以来、全国大会の出場は今回で28回目になる。
全日本合唱コンクールは村松さんにとって「新しい世界への扉」だったと話す。毎年、新しい生徒と新しい曲に挑戦する場所だ。
そんな舞台で、結果がすべてではないとはいえ、金賞は21回、日本一にあたる特別賞は7回の輝かしい成績を残してきた。
「不来方のお城の草に寝ころびて……」と詠んだ石川啄木に次いで、地元を有名にした功労者かもしれない。
今後も校外から指導を続ける可能性はある。ただ「私の中では、コンクールは終わりにすると決めています。引き継がないといけませんから」。
最後のコンクールはどんなものになるのだろうか。
事前に感慨を尋ねると、「い…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル