「もうからない」本屋を開くと決めた若者は まず農業を学んだ

 本屋の傍ら、畑や水田で自給のための農業に汗を流している。

 鳥取県中部の湯梨浜(ゆりはま)町にある周囲約12キロの東郷池のほとり。JR山陰線の松崎駅から歩いて5分ほどにある小さな建物。それが、本屋の「汽水空港」だ。

 店に入ると、木の本棚が並ぶ温かな雰囲気。人文書、思想書、サブカル、アート、農業関係の本などが所狭しと並ぶ。カフェスペースもあり、店内では、著者を呼んだイベントも開く。

 二十世紀梨など農業が盛んな町の人口は約1万7千人。風光明媚(ふうこうめいび)な東郷池の周辺には、温泉旅館やホテルがあるが、店のまわりは普段、それほど人通りが多いわけではない。

 老朽化した倉庫を自ら改修して本屋にしたのは、店主のモリテツヤさん(36)。店名の由来はこうだ。

 東郷池は、淡水と海水が混じる汽水。複雑に混じり合う混沌(こんとん)とした領域という意味を込めた。さらに読書を旅に例え、様々な出会いの場として「空港」と名付けた――。

 モリさんは、北九州市出身。家族の仕事の関係で2年間、インドネシアに住んだ。帰国後は、大学卒業まで千葉県で過ごした。

なぜ、地方で本屋を開こうと思ったのか。そして、そのために、まず、農業を学んだわけとは。

 子どもの頃から、カイシャに…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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