「もう働けない」から生まれたプリン 居酒屋を救うまで

拡大する「大阪みっくすジュース」のプリン=私のプリン提供

 居酒屋が立ち並ぶ大阪・ミナミの細い小道に、かわいらしい女の子の描かれた看板がある。「私のプリン」。今年4月にオープンした、カフェのあるプリン専門店だ。

 店で最も目をひくのは、きらきらした青とピンクのゼリーがのった不思議なプリン。大阪発祥といわれるミックスジュースをイメージしたものだ。

 「ゼリーとプリン、全部で5層あります。別々に食べるとイチゴや桃の味がしますが、かき混ぜて食べると、ミックスジュースになるんですよ」

 そう話すのは、店を経営する会社「MAJIMA」(大阪市中央区)取締役の中山智映子さん(45)。

 店はもともと、同社が展開する七つの居酒屋の一つだった。コロナ禍により深刻な打撃を受けたが、プリン専門のカフェに転換し、売り上げはV字回復。従業員の雇用も守れた。

 「実はコロナ禍だからプリン専門にしたわけじゃないんです」

 きっかけは5年前の2016年。同社の別の居酒屋に勤めていた安達美穂さん(36)から相談を受けたことだった。

 「もう働けません」

 その一言に、中山さんはピン…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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